【Film Review】「ドクター・ストレンジ」/今度のヒーローは医者で魔法使い!!

Doctor Strange

「ドクター・ストレンジ」 (原題:「Doctor Strange」 (2016年・米)

監督:スコット・デリクソン

出演:ベネディクト・カンバーバッチ/マッツ・ミケルセン/キウェテル・イジョフォー/レイチェル・マクアダムス/ティルダ・スウィントン 他



主人公はファンタジックな魔法使い

MARVEL Cinematic Universe <フェーズ3>第2作。
原作は1963年にデビュー。

ドクター・スティーブン・ストレンジは、天才外科医。
彼に治せない病はなく、悠々自適な日々を過ごしていたが、ある日、車が崖から転落するという交通事故に遭い、瀕死の重傷を負ってしまう。
そのことから、商売道具である手は使い物にならず、医師としての道を絶たれてしまう。
救いを求め、彼が向かった先は、カマー・タージという謎の治療施設だった・・・。

この「ドクター・ストレンジ」という作品は「アベンジャーズ」シリーズが属するMARVEL Cinematic Universeに帰属する作品だ。
これまでヒーローたちの誕生から共闘までを描いた<フェーズ1>、新たなる脅威に立ち向かいチームの絆を描いた<フェーズ2>、そして前作「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」から幕を開けた<フェーズ3>2作目となるのが本作。
これまで主に現実的なヒーロー作品を作り上げてきたこのシリーズにおいて、本作はなかなか一線を画す存在と言っても良いだろう。
何故ならアイアンマンやキャプテン・アメリカなどとは違い、本作の主人公は魔法使いというファンタジックな存在なのだ。

Doctor Strange

傲慢で自分中心な天才外科医がひょんなことから自らの才能を失う結果になり、謎の力に導かれていく。
これまで実業家や軍人、神など、あらゆる職種の人間がヒーローとなってきたが、今回は医者。
この医師が主人公というところにすでに新鮮さを感じ、序盤から世界観に引き込まれる。
しかし、どうにも中盤以降に魔術という言葉が登場する辺りから、逆に引き離されてしまったのも事実なのだ。
恐らくこれまでのMARVEL作品とは異なり、好き嫌いがハッキリと分かれる作品と言える。
アクション要素を強めにしたヒーロー作品が好みの人とファンタジックな要素が強めのヒーロー作品が好きな人とで大きく印象が異なるだろう。
そして、これはほんの序章に過ぎず、これまで多くのヒーローの誕生を目撃してきた我々ファンにとっては、<フェーズ3>まで来て、また新たなヒーローを登場させても、正直マンネリなのは否めないのかもしれない。
各々、個性や要素は違えど、これほどまでにヒーローがありふれた昨今のハリウッド映画に対して、このような印象を持つことが最近多くなったのも事実なのだ。

Doctor Strange

また、予告編の段階から大きな注目を集めていた映像だが、冒頭のシーンから違和感を感じ、VFXで加工した登場人物が浮いて見えたのが、非常に残念だ。
「インセプション」のような衝撃の映像を期待したが、ビルが散開していく姿やビジュアル面が、かなり衰退しているように感じた。
要するにMCU作品に対しては毎度期待値が高い分、今回はあまり期待に応えられていない印象が強いということだ。

今日のハリウッドを背負う実力派俳優、夢の共演

内容的には、さほど良い印象を受けなかった作品ではあるが、実力派俳優の共演には胸を踊らされた次第である。
主人公ドクター・ストレンジを演じるのは、ベネディクト・カンバーバッチ

Benedict Cumberbatch

「SHERLOCK/シャーロック」で英国俳優ブームの火付け役となり、「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」や「それでも夜は明ける」などで実力を証明してきた彼が今度はアメコミ作品でヒーローを演じる。
この段階ですでに新鮮な気持ちにさせるが、終始、彼が魅せる表情が非常に小気味よく、新鮮さを存分に感じさせるのだ。
それはアメコミヒーローを演じているということもそうだが、時折魅せるコメディ演技にはついつい食い入るように観てしまうほどの魅力がある。
あまりベネディクトのコメディというのは印象にないが、卒なくこなすあたりは流石の名優である。
それに容姿も原作と生き写しで、流石のキャスティングだと感心させられた。

そんな彼と相対するカエシリウスを演じるのは、''北欧の至宝''マッツ・ミケルセン

Mads Mikkelsen

彼の演技がとてつもなく活きている役柄なのだか、それ以前にベネディクトとマッツというヨーロッパを代表する2大人気俳優の共演というところで、すでに感極まってしまう。
この2人が対峙する場面を観れたというのは光栄であり、決して忘れたくないほど、脳裏に焼き付けておきたいものだ。
マッツもどことなく笑わせてくれるのが、とても可愛らしく映った。

その他にキウェテル・イジョフォーティルダ・スウィントンレイチェル・マクアダムスなど、今日のハリウッドを代表する実力派キャストが顔を揃えている。

Tilda Swinton

本作は全体的に魔法を主としているので、役者たちの想像力が試されるが、彼らはそれを難なくこなし、言うなれば、''想像''を''創造''した演技を魅せており、圧巻のパフォーマンスであった。

今後の活躍にも期待したい、ドクター・ストレンジ。
全体的に幻想的な世界が広がった作品で独特ではあるが、MARVEL作品としては、どうしても受け入れ難かった。

評価:★★★★★★★☆☆☆


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