【Film Review】「ヤング・アダルト・ニューヨーク」/大人になりきれない大人の成長物語

While We're Young

「ヤング・アダルト・ニューヨーク」 (原題:「While We're Young」) (2014年・米)

監督:ノア・バームバック

出演:ベン・スティラー/ナオミ・ワッツ/アダム・ドライバー/アマンダ・サイフリッド 他



大人になりきれない大人たちの成長物語

ドキュメンタリー映画監督のジョシュとその妻コーネリアは、子を持たず自由に暮らしていたが、周りでは皆、子育てに一生懸命。
置いてけぼり感を感じていた彼らの前に若くエネルギッシュな夫婦が現れ、接していくうちに、彼らの生活に憧れを抱くようになる・・・。

この作品の主人公は、倦怠期を迎えた熟年夫婦と若々しくエネルギッシュな若年夫婦である。
この2組の夫婦に共通している部分は、どちらも夫がドキュメンタリー映画の監督であるということ。
ここが、本作の要とでも言うべき重要な部分を占めてくる。

While We're Young

2組の夫婦が出会い、共に映画製作を開始することになるのだが、その過程で徐々に人間の本質のようなものが浮き彫りになっていき、体裁を保とうと魅せる表の顔と本心は必ずしも同じではないということを描き出している。
また、中年を迎えた夫婦はスマホやら現代の最新ツールをフル活用しているが、若年夫婦の2人は、レコードにVHSなど、比較的ローテクな生活をしているところも面白く、登場人物たちのキャラクター性を明確にしている。

While We're Young

しかし、最初と最後とでは別物の映画になってしまっていて、若干物語の真意を掴みずらいのが難点だ。
本作は、全体を通して大人になりきれない夫婦が若く活動的な夫婦と接し、共に過ごすことで、自分たちの人生を見つめ直し、一歩大人になるまでを描く、いわば成長物語と言えるのだ。

個性派俳優アダム・ドライバーが本領発揮!!

主人公の熟年夫婦を演じるのは、ベン・スティラーナオミ・ワッツ

Ben Stiller

ベンは自分を年老いているとは認めず、さらには若者に感化されたことで、若者ぶる姿がなんとも滑稽にかつイタいくらいに映り、役柄を体現。

Naomi Watts

ナオミも比較的クールな印象の強い女優だが、周りの子持ちの主婦たちから置いてけぼりにされてる感が存分に伝わってくるし、ヒップホップダンスに挑戦するなどの荒々しさも魅せる。
この2人のイタさには、かなり惹き付けられる。

一方の若年夫婦を演じるアダム・ドライバーアマンダ・サイフリッドは個性を発揮している。

Adam Driver

特にアダムの俳優としての個性に魅力を感じずにはいられない。
どこか味のある存在感には目を離さずにはいられないし、芸術性の高さを醸し出すオーラにも惹き付けられる。
本作の演技で、アダム・ドライバーの俳優としての可能性を大いに感じた次第である。

Amanda Seyfried

アマンダは、特に見せ場はないものの、最近よく魅せるコメディセンスを発揮していた。

そこまで面白いものではないが、熟年夫婦と若年夫婦との対比は、色濃く描かれている。
観る者の年齢によって感じ方が変わる作品と言えるだろう。
『偶然とは些細なこと』という台詞に全てが集約されているような気がする。

評価:★★★★★★☆☆☆☆


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