【Film Review】「マッドマックス 怒りのデス・ロード<ブラック&クローム エディション>」/白黒の方が断然面白い!!

Mad Max:Fury Road B&C

「マッドマックス 怒りのデス・ロード」<ブラック&クローム エディション> (原題:「Mad Max:Fury Road <Black & Chrome Edition>」 (2015年・米)

監督:ジョージ・ミラー

出演:トム・ハーディ/シャーリーズ・セロン/ニコラス・ホルト/ヒュー・キース=バーン/ロージー・ハンティントン=ホワイトリー/ゾーイ・クラヴィッツ/コートニー・イートン 他



白黒こそが''本作のベスト・バージョン''!!

2015年に製作・公開された「マッドマックス 怒りのデス・ロード」をカラーから白黒映像にアレンジ。
監督のジョージ・ミラーは『本作のベスト・バージョン』と豪語!!
オリジナルの「マッドマックス 怒りのデス・ロード」は、アカデミー作品賞にノミネートされるなどの快挙も成し遂げた。

文明の失われた世界で、支配者イモータン・ジョーの手により囚われの身となってしまったマックスは、辛くも脱出し、大隊長フュリオサと共に、緑の大地を目指すことに・・・。

このジョージ・ミラーが手がける「マッドマックス」は、1979年にメル・ギブソン主演で第1作が公開され、これまで「怒りのデス・ロード」を含め、全4作が公開されてきた。
メル・ギブソン時代からそうなのだが、それぞれ''続編''ではあるものの、決して''続編''という縛りのある映画でないというところが変わっていて、違うキャラクターであるのに、同じ役者が演じていたりすることもある。
そのような作風であり、尚且つ、世紀末的世界観を描き出した作品の先駆者的立場でもあることから、幾つもの作品に影響を及ぼしてきた、名作と言える。
私はどうしてもこの少し''B級的''な世界観が好きになれず、このシリーズは、決して好きではなかった。

Mad Max

1985年の「マッドマックス/サンダードーム」以降、時代の流れもあり、その後は製作されていなかったが、2015年、およそ30年間の沈黙を破り、新作「マッドマックス 怒りのデス・ロード」が製作されたのだ。
ここまで来ると、監督も変わり、リメイクとして蘇ったのかと思うかもしれないが、オリジナル同様、ジョージ・ミラーが監督を務め、リメイクとして作り直すわけではなく、キャストは変わったものの、''再訪''として新たに製作。
オリジナルよりも物語に本筋というものが存在し、さらには現代的な演出も施されており、シリーズ中では最も楽しめる作品に仕上がっていた。
全体的に''MAD(狂気)''に満ちた展開で、まさに''MAD MAX''に最初から最後まで走り抜ける!!
ただ、やはり私にはこの世界観が受け入れらず、決して好きになれるような作品ではなかった。
それが当初、私が抱いていた「マッドマックス」に対するイメージだった。

Mad Max:Fury Road B&C

そして、この<ブラック&クローム エディション>というバージョンを4DXで上映しているということを聞きつけ、カラー映画をわざわざ白黒にしたら、どのような化学反応が起きるのかというところに惹きつけられ、映画館に足を走らせた。
率直な感想を言えば、この「マッドマックス 怒りのデス・ロード」という作品は、白黒の方が断然面白い!!

Mad Max:Fury Road B&C

というのも、カラーの時にはなかった印象を大きく与えてきて、全く新しい映画に仕上がっているからだ。
先にも述べたように本作は、とてつもない''B級感''を持った作品なのだが、白黒になることにより、その''B級感''が良い方向に作用するようになる。
特に目を惹いたのが光が反射する場面で、その色のコントラストが何とも言えない懐かしさや心地よさのようなものを醸し出している。
ドライブイン・シアターで上映されるような古き良きB級映画を彷彿とさせる映像へと進化を遂げ、観る者を世界観へと引き入れる。
まさに、そんな映画だ。
カラーの時に感じた気持ち悪い表現や不気味な登場人物たちも、白黒になることにより映え、魅力的にさえ映ってしまう。

Mad Max:Fury Road B&C

そして、この<ブラック&クローム エディション>を4DXで上映したというところにも意味があり、体感型シアターであるこの技術を利用することで、より世界観に入り込める。
元々「マッドマックス」は4DXと相性が良いことでも知られていて、終始、動き続けており、まさにマックスと共に走り続ける事ができる。
まさに、白黒と4DXが加わることにより、究極の映画体験ができ、ジョージ・ミラーの言うとおり、『本作のベスト・バージョン』と言えるだろう。

唸る!トム・ハーディ、魅せる!シャーリーズ・セロン

主人公マックスを演じるトム・ハーディは、寡黙は寡黙なのだが、オリジナルのファンからすると、少し違うのかもしれない。

Tom Hardy

メル・ギブソンのマックスはクールで感情のあるキャラクターであったが、トムハの演じるマックスは野性味にあふれ、ロボットのように感情や言葉を押し殺しているような印象が強い。
ただ、そこが魅力的でもあり、この狂気に満ちた世界に生きる人間らしさを醸し出し、ラストで魅せる表情の変化には感動さえ覚えてしまう。
ウーウー唸っているのが若干気になりはするものの、彼らしい男気に満ちた演技を魅せてくれる。
白黒になったことにより、彼の表情も一層深みを増し、味のある役者として映えていた。

大隊長フュリオサを演じるシャーリーズ・セロンには恐れ入った。

Charlize Theron

彼女のことは多くの人が美人女優として認識しているかもしれないが、演技や役作りに情熱を注ぐ女優として、恐らく現代のハリウッドでも5本の指に入るだろう。
本作でも自ら頭を刈りこみ、坊主頭で役に臨んだほどの女優魂を魅せ、見事なまでに役になりきっている。
彼女がいるからこそ、ここまでの良作に、ストーリーに重みのある作品に仕上がったと言えるかもしれない。
良い意味で男らしさと力強さという点においては、トム・ハーディでさえも上回る存在だ。
白黒になることで、より一層、彼女の美麗な容姿が際立っていた。

そして、物語上重要な存在となってくるニコラス・ホルトは、異様に白塗りの顔が似合う。

Nicholas Hoult

本作の持つ哀しみや異常さを最も体現している役柄で、本作の主人公と言っても過言ではない。
演じるニコラスも顔は相変わらずなのだが、演技や魅せる表情などに、これまでとは違う爆発が見られ、なかなか良いパフォーマンスを魅せている。
この作品で彼の可能性も大いに広がったのではないか。

他にも「トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン」ロージー・ハンティントン=ホワイトリー、「ダイバージェント」シリーズのゾーイ・クラヴィッツ、「キング・オブ・エジプト」のコートニー・イートンなど次代を担う若手女優たちが存在感を発揮しているのも注目だ。

キャストの''MAD''も覚醒し、これまでの演技とは違うものが楽しめる。
そして、<ブラック&クローム エディション>の完成度と相性の良さには度肝を抜かれる!!
2月8日にDVDがリリースされるようだが、これは間違いなく映画館で体感してもらいたい!!
公開中の劇場へ、今すぐ走れ!!!

評価:★★★★★★★★☆☆


マッドマックス 怒りのデス・ロード <ブラック&クローム>エディション Blu-ray(初回限定生産/2枚組)



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