[新作映画批評]ジョナ・ヒル×ジェームズ・フランコ そこに真実はあるのか!?「トゥルー・ストーリー」

True Story

今回は、実話を基にした日本未公開のサスペンス「トゥルー・ストーリー(True Story)」の批評

ニューヨーク・タイムズ紙に捏造記事を掲載した記者のマイケル・フィンケルは、その事から、記者生命が絶たれようとしていた。
時を同じくして妻子を殺害した罪で一人の男が逮捕される。
まったく接点のない男だが、彼はフィンケルと名乗っていたのだ。
彼に惹かれるように取材に向かったフィンケルは、彼の無実を証明しようと躍起になり、「真実の物語」という本を出版しようとする・・・

緊迫した空気の漂う、サスペンス・ドラマ
本作は、そのほとんどが記者のマイケル・フィンケルと妻子を殺害した容疑に問われている男の対話シーンで繰り広げられる

True Story

捏造記事でニューヨーク・タイムズを追われた男と無実を主張する男、この2人の人間を重ね合わせるように描き、同調性を持たせている
また、ひたすら特ダネを求める部分や無実を証明しようという姿など、記者としての本能も上手く具現化した構成で躍動感のある作品だった
''~でなくもない''という二重否定が重要な位置を占める

True Story

だが、物語の内容や伏線はわかりにくい部分があり、この事件もしくはマイケル・フィンケルが書いた原作を知っていなければ、すべてを掴むのは難しいかもしれない
この事件について、ありとあらゆる知識を身につけてから、もう一度再挑戦したいものだ
この映画において評価したいのは、その物語ではなく、立体的なカメラワークだ
表情豊かな映像表現で、あらゆる場面を切り取っているし、これによりキャストたちの演技も映えている
ここまで見事なカメラワークを魅せる作品は久々に観たし、観ていて面白かった
撮影監督を務めたのは日本人であり、「ウォーリアー」や「ファーナス 訣別の朝」「世界にひとつのプレイブック」、本年度アカデミー作品賞を受賞した「スポットライト 世紀のスクープ」などを手掛けてきた、高柳雅暢(Masanobu Takayanagi)なのだ
ここまで素晴らしい映像を作り上げたのが日本人だと聞いて、誇らしい限りである
ぜひとも、この名前を今後覚えておいてもらいたい

キャストは、コメディのような陣容だが、いたってシリアスな映画
捏造記事で落ち目の記者マイケル・フィンケル役には、ジョナ・ヒル(Jonah Hill)

Jonah Hill

彼はコメディアンの印象が強いが、「マネーボール」や「ウルフ・オブ・ウォールストリート」など、ドラマ系作品でもその実力を発揮している演技派でもある
本作での彼もかなりシリアスな表情を魅せており、抜群のパフォーマンス
今まで演じてきた役柄の中で最も真に迫る演技を魅せているといっても、過言ではないほど、表情の一つ一つに真実味があった

一方、妻子殺害の容疑に問われているクリスチャン・ロンゴ役には、ジェームズ・フランコ(James Franco)

James Franco

彼もまた最近ではコメディの印象が強いが、その演技の幅の広さを証明した表情を魅せる
終始、疑念を抱かせる怪しげな表情を魅せ、狂気に満ちた雰囲気を漂わせる
この作品の要でもある、どれが''真実''かというのを体現する演技
指先まで役になりきっていたのが印象的だ

そして、現在「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」が絶賛公開中のフェリシティ・ジョーンズ(Felicity Jones)も出演

Felicity Jones

影からフィンケルを支える役どころで、包容力がある
ただ、彼女のとった行動はイマイチ解せず、納得のいかない印象を受ける
フェリシティ自体は悪くないが

「マイ・ネーム・イズ・アール」のイーサン・スプリー(Ethan Suplee)、「ゴシップガール」のロバート・ジョン・バーク(Robert John Burke)も出演

事実を基にしたサスペンスで、説得力はあるが、わかりにくい部分が多い
その点は不完全燃焼だが、緊張感の漂う作品として、なかなか魅力的な作品ではあった

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