[映画批評]こんな事件が実際に起きていたなんて!!「チャップリンからの贈りもの」

The Price of Fame

今回は、1978年に実際に起きた『チャールズ・チャップリン遺体誘拐事件』を描く「チャップリンからの贈りもの(la rançon de la gloire)」の批評

1977年12月25日 喜劇王チャールズ・チャップリン死去。
このニュースを聞いた出所したてのお調子者エディと彼に住まいを提供した親友のオスマンは、どん底の生活から脱出するために、チャップリンの遺体を盗み出す計画を立てる。
彼らは墓から棺を掘り出し、チャップリン家に多額の身代金を要求するのだった・・・

本作は、1978年に実際に起きた事件を描いており、まずその部分に驚かされる
実際に起きた事件を題材にしているというと、シリアスなサスペンスものを想像する人が多いかもしれないが、本作はそのような要素は全く描かれておらず、むしろ喜劇として描かれているのが印象深い
しかも、被害に遭ったチャップリン家の全面協力の元、チャールズ・チャップリンの実の息子までもが出演しているというから、感慨深い
さらには、身代金を要求する犯人たちのことまでをも愛おしく描いており、とてつもなく人間愛に溢れた作品と言えるのだ

The Price of Fame

これは生前、戦火の渦巻く世界で、弱者の味方であり、深い愛情に満ち溢れ、人々を''笑い''で幸せにした、チャールズ・チャップリンという喜劇王を象っていると言えるのではないか
随所に彼の出演した名作たちへのオマージュを捧げるシーンや全編サイレント映画のような動きや展開が映し出されており、稀代の喜劇王を讃える様相になっている

The Price of Fame

音楽を担当するのは「シェルブールの雨傘」などで知られるミシェル・ルグランで、また彼らしい情愛に満ちた素晴らしい音楽で彩られている
最後には常に人を幸せにしていたチャップリンらしい思わずホロリとしてしまう結末が描かれており、ただただ心を持って行かれてしまう
キャストも見入ってしまうほどに素晴らしいパフォーマンスを発揮しており、とりわけ目を惹いたのが、アメリカの名優ピーター・コヨーテ(Peter Coyote)が出演しているところ

Peter Coyote

脇役ながら良い味を出しているので、ぜひ注目してみてほしい

フランスからやって来た、心温まる、新たな名作
この映画を観れば、今までチャールズ・チャップリンという喜劇王に触れてこなかった人たちも、きっと彼の残した名作たちに興味を惹かれることだろう

チャップリンからの贈りもの [DVD]



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