[映画批評]これは近未来。氷河期と化した地球の物語。「コロニー5」

今回は、「コロニー5(The Colony)」の批評

近未来。
地球温暖化の影響で、地球には氷河期が訪れていた。
寒さを逃れ、生き延びた人類は地下に移り住み、''コロニー''ごとに分け隔てられた、生活をしていた。
ある日、''コロニー7''の面々は協力関係にある''コロニー5''との連絡が途絶えたことで、調査に向かう。
しかし、そこには飢えにより豹変してしまった恐るべき人間たちが生息していたのだった・・・

カナダ産の低予算SFにしては面白かったというのが正直な感想だ

本作は地球温暖化の影響で、地球が氷河期になってしまった近未来を描いており、そういった未来への警笛と人間の持つ最も原始的な欲求である『食べる』という本能に従い、『飢え』というものがどれほどまでに人間性を変えるかというものを明確にしている

また、同時に極限状態における人間の優位に立とうとする本質のようなものも色濃く描かれていた

とてつもなく寒そうな背景と豹変した人間たちが襲いくる映像には、鳥肌すら立つ次第である


キャラクター各々の人物設定というのはハッキリしていないし、物語にもそこまで際立ったものはないのだが、SFスリラーとして次に起こる展開などにはドキドキさせられた

人間が暴徒化し、ゾンビのような描写で描くというアイデアはなかなか面白いし、迫力もさることながら、存在感のある役割を果たしていたと思う


要するにゾンビやらグロテスクなホラー作品に慣れ親しんだ人たちにとっては物足りないかもしれないが、そういった作品を苦手にしている人や普段あまり観ない人たちには、このぐらいがちょうど良いという事

主演は、ケヴィン・ゼガーズ(Kevin Zegers)


映画「トランスペアレント」で性同一性障害の父親を持つ息子を演じ、注目の集まった俳優で、「ゴシップガール」などでもおなじみ

やはり彼の画面から伝わってくるオーラというものは類稀なるものがある

演技自体も素晴らしいのだが、主演俳優としての存在感というものにひたすら惹きつけられた

日本ではそれほど馴染みのある俳優ではないが、ぜひとも注目してもらいたい俳優の一人だ


脇を固めるのは、ローレンス・フィッシュバーン(Laurence Fishburne)とビル・パクストン(Bill Paxton)の個性派2枚

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''ローレンス・フィッシュバーン最強説''が再び浮上しそうなほどに強すぎる一面を発揮している

元軍人という過去を持つ役柄なだけに彼の信念と手際の良さ、そしてひたすらに敵をなぎ倒す姿は感無量

このような役柄を演じる時の彼は水を得た魚のように生き生きとしている様に見える

一方のビル・パクストンは、相変わらずの嫌らしさ


本作では仲間であるにも関わらず悪役のような描写をされている可哀想な役柄だが、それも彼らしいといったところ

「ターミネーター」「エイリアン」「プレデター」とタイトルロールに殺されてしまう役の多い彼だが、本作でもその個性を十分発揮したと思う

さほど有名な作品ではないが、案外面白かった

寒い日が続く今だからこそ、雰囲気を楽しめる作品なのかもしれない

気になる方は手に取ってみても損はないだろう

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