[海外ドラマ批評]1970年代ロックローンロール全盛の時代を描く「VINYL -ヴァイナル- Sex,Drugs,Rock'n'Roll & NY」

VINYL

今回は、海外ドラマ「VINYL -ヴァイナル- Sex,Drugs,Rock'n'Roll & NY」の批評

映画界の巨匠マーティン・スコセッシ(Martin Scorsese)&音楽界の重鎮ミック・ジャガー(Mick Jagger)製作、HBOが贈る、1970年代のロックンロール全盛の時代を描く、海外ドラマ
崖っぷちのレコード会社''アメリカン・センチュリー''の社長リッチーは、破産寸前の会社を手放そうと、ドイツ人との交渉を進めていた。
しかし、ある出来事がきっかけで自らも崖っぷちに追い込まれてしまい、アルコールやドラッグに走ってしまう。
そんな中、神の啓示を受けた彼は、再び会社を建て直し、音楽業界に革命を起こそうと決意する・・・

''レッド・ゼッペリン''、''NY ドールズ''、''アリス・クーパー''など、1970年代はロックという音楽に革命がもたらされ、ロックンロールの全盛期と呼ばれた時代

VINYL

その時代を舞台に音楽レーベルの社長リッチーのひた向きな人生を描くのが本作だ
華やかな世界とは裏腹にドラッグやセックス、暴力に殺人、さらにはギャングまでもが絡んでくるなど、この世界の背徳的なものが全て混在していた音楽業界を当時の時代背景と共に忠実に描き切っていて、なかなかの意欲作と言える

VINYL

そこにロックの殿堂とでも言うべき数々のスーパースターたちが実名で登場するのもまたこのドラマの魅力と言えよう
しかも、その大スターたちに扮する俳優陣がまた本人かと思わせるほどにそっくりであり、説得力という事にかけては申し分のないキャスティングだ
彼らの織り成す名曲の数々がドラマに色を加えており、ちょっとしたミュージカル的様相も呈してきて、そこもまた面白い
また、ギャング映画を代表する巨匠であるスコセッシらしいギャングの描き方やカメラワークも印象的だし、''ザ・ローリング・ストーンズ''のミック・ジャガーが潜り抜けてきた音楽人生も反映されたストーリーなのではないかという印象も大いに受けた
要するに全音楽ファンに捧げる讃美歌こそがこのドラマと言えるような出来なのだ

主人公のリッチー・フィネストラを演じるのはボビー・カナヴェイル(Bobby Canavale)、その右腕的な存在のザック役にはレイ・ロマノ(Ray Romano)とコメディ界を牽引する俳優たちが顔を揃える

Bobby Canavale Ray Romano

ボビーは、元々マーティン・スコセッシ製作の「ボードウォーク・エンパイア 欲望の街」に出演し、評価を上げてきた俳優で、最近では「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」「SPY」などのコメディ映画で存在感を発揮している
レイに関しては、人気ドラマ「Hey!レイモンド」で一時代を築いてきた俳優で、この頃は正直活躍の場を失っていた俳優
その2人が共演する本作だが、ボビーのシリアスな演技は度肝を抜かれるほどに賞賛すべきなもので、彼の実力を再確認した
一方のレイもコメディの印象はほとんどなく、ただただリッチーに翻弄されていく姿が様になっている
コメディの印象が強い俳優の共演だけに、真面目な事をやっているにもかかわらず、どこか滑稽に映るのも、狙ってのことだろう

リッチーの妻を演じるのはオリヴィア・ワイルド(Olivia Wilde)で、ここまででもかなりの豪華キャスト

Olivia Wilde

オリヴィアは数年前までは美人女優として名を馳せた女優であったが、演技的にも一皮むけたような印象を受ける
リッチーに感情移入をさせるドラマだけに、彼女が良い意味でウザい存在であり、煮えくり返る思いをすることだろう

他の出演者に関しては二世俳優が多く出演しているというところが魅力で、代表格がミック・ジャガーの息子ジェームズ・ジャガー(James Jagger)

James Jagger

ミックの''ザ・ローリング・ストーンズ''を模したかのようなバンド''ナスティ・ビッツ''のメインボーカルであるキップを演じているのだが、自身もバンドマンとして活動しているだけに、歌唱力やパフォーマンスにおいては申し分なし
演技自体も俳優としての経験が薄い割には、安定した演技を魅せていた。とにかく、父同様、あまりイケメンではないのだが、カッコいい男の役なのが、面白い

もう一人、二世俳優がいて、デニス・クエイドとメグ・ライアンの息子である、ジャック・クエイド(Jack Quaid)

Jack Quaid

観た感じでは全く気がつかないのだが、言われてみればといったとこ
彼の役柄は正直あんまり好きではないが、二世俳優にしては頑張ったのではないか
他のキャストも1970年代という時代背景に上手く浸透した存在感を発揮しており、皆、面白くもシリアスな演技を魅せてくれていた

ストーリー自体は、そこまで新鮮味はないのだが、この世界観には惹きつけられずにはいられない
70年代の名曲と共に織りなされるロックンロールの舞台裏は、あまりにも魅力的
しかし、残念ながら、このシーズン1での打ち切りが決まってしまい、続きが見られないのは、どうにも不甲斐無い
これからって時に話が打ち切られてしまっては元も子もない・・・

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