[映画批評]マッツ・ミケルセンがパラレルワールドに足を踏み入れる。「ザ・ドア -交差する世界-」

The Door

今回は、「ザ・ドア -交差する世界-(Die Tür)」の批評

画家のダヴィッドは浮気中に一人娘を事故で失ってしまい、失意の底に落ちしまう。
5年後、妻とも別れ、全てを失った彼は一思いに死んでしまおうと娘が死んだプールに身を投げるが、友人に助けられる。
そんな中、たまたま見つけた蝶々の後を追った彼は、ある''扉''を見つける。
その扉の先は5年前の''あの事故''が起きた日へと繋がっており、彼は娘を助け出そうとするが・・・

パラレルワールドやタイムトラベルというものを題材にした作品は、映画だけでなく、小説やゲーム、アニメなど、いろいろな媒体で製作されてきており、過去へ思いを馳せたり、未来を観たいという人間の性と好奇心を揺さぶるストーリーとして高い評価を上げることが多い
そんなパラレルワールドを題材にし、ドイツで製作された映画が本作
全体を通して、パラレルワールドに足を踏み入れた男の心情を見事に表しているし、ミステリアス且つサスペンシブルなストーリー展開が功を奏し、惹きつけられずにはいられない作品に仕上がっている

The Door

また、そのミステリアスな部分を助長させる音楽も見事で、独特な存在感を放っているし、より没頭させる効力を持っている
この世にはありとあらゆるパラレルワールド作品が存在するが、ハリウッドが製作するそれらの作品をも凌駕する圧倒的リアリティと着眼点の面白さで、終始目が離せなかった
これは今後ハリウッドでもリメイクされるかもしれないほどの作品だが、ドイツというヨーロッパ系の作品だからこそ出せる魅力という物があると感じずにはいられない
まさに掘り出し物と言える、傑作SFサスペンスだった

主演は、''北欧の至宝''と名高いマッツ・ミケルセン(Mads Mikkelsen)

Mads Mikkelsen

海外ドラマ「ハンニバル」や「007/カジノ・ロワイヤル」など、悪役のイメージが比較的強いかもしれないが、実はこの手の自分の立場に苦悩するような役柄こそが彼の真骨頂と言えるのだ
彼の実力が大いに発揮された「偽りなき者」でもそうだが、良き人間なのにもかかわらず、周りから疑わしき目で見られるような人物を演じる時の彼の演技は、とてつもない哀愁を漂わせ、ひたすら感情移入を誘う
そして、過去と未来の自分の演じ分け、良き父親、夫であろうとする姿など、ここまでの表現力を持った俳優であることが、''至宝''と言われる所以なのだ

ドイツ映画は普段あまり観ることがないので、他のキャストはよく知らないのだが、実力派というべき俳優たちが見事な演技を魅せていた

マッツ・ミケルセンのファンはもちろん、悪役での彼しか知らない人にも、ぜひ観てもらいたい
彼の演技の幅の広さと''北欧の至宝''の名演を楽しんでもらえるはずだ
出来れば、彼の魅力が発揮された「偽りなき者」と一緒に観てほしい

ザ・ドア ~交差する世界~ [DVD]



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