[海外ドラマ批評]J・K・ローリング原作。「カジュアル・ベイカンシー 突然の空席」

The Casual Vacancy

今回は、「カジュアル・ベイカンシー 突然の空席(The Casual Vacancy)」の批評

「ハリー・ポッター」のJ・K・ローリング(J.K.Rowling)原作を映像化
''カジュアル・ベイカンシー''とは、突然の空席を意味する政治用語
舞台はイギリスの架空の街パグフォード。
誰からも好かれていたバリー・フェアブラザーが、突如亡くなったことによって、自治会の一席が空いてしまう。
その席を巡って繰り広げられる選挙運動の数々と貧困街のフィールズを巡る意見の相違などを社会問題色濃く描き出した、意欲作

原作は「ハリー・ポッター」シリーズ終了後、J・K・ローリングが初めて執筆した作品
魔法界を描き出したファンタジー大作の印象が強かった彼女だが、今回は真逆と言っても過言ではない、社会派ドラマ
原作が出版された当初から少し興味を持っていたのだが、評価的にもマチマチといった具合だったので、完全にスルーしていた
そして今回、映像化を観てみて感じたのが、J・K・ローリングの織り成す重厚な人間模様や数々の策略や謀略に加え、社会派な一面を持ち合わせたドラマが繰り広げられ、こういうジャンルの作品でも行けるなという事

J.K.Rowling

一介の自治会の空席を巡る選挙を中心に現代社会が抱える階級の問題であったり、薬物問題などをしっかりと提議している
この一つの空席ができたことで生じる問題が連鎖のように繋がり、最後にはすべての出来事が一つにまとまるところは、かなり衝撃であり、秀逸な展開であった
また、候補者たちとその家族の面々の織り成す策略の数々には、イギリスらしい不謹慎なブラックユーモアなども織り交ぜてあり、滑稽な様相も呈してくる
自らの著作へのオマージュも込められた秀逸なストーリー展開と人間模様が、ファンタジー大作で名を馳せたJ・K・ローリングの名をまた一つ上の段階に押し上げたと言えるだろう

キャストは英国ドラマらしく、実力派揃いで、見事なアンサンブルを披露
その中でも特に印象に残ったのが、やはりマイケル・ガンボン(Michael Gambon)

Michael Gambon

「ハリー・ポッター」シリーズにおいて、ダンブルドア校長を演じていることでも知られている俳優だが、彼の真骨頂である嫌らしい演技が全開なのだ
「ハリー・ポッター」では落ち着き払った大御所的雰囲気を漂わせていたが、本作で魅せる嫌らしく、何かを企んだかのような表情こそが、名優マイケル・ガンボンの得意とするところ
その魅力が大いに伝わってきて、かなり視聴者をムカつかせる演技なのだが、どこかボケが入ったかのような演技が、そこを緩和してくれる
ダンブルドアでの彼しか知らない人には、ぜひとも堪能してもらいたい名演だ
全体的にキャスティングという点において、これほどピッタリな配役を魅せているドラマも珍しいように感じた

原作の評価から比べると上々の出来であり、なかなか楽しめた
全4話と手軽に楽しめるところも魅力であり、イギリスの田舎の雰囲気を堪能するにはもってこいの作品
紅茶を片手にのんびりと楽しみたい・・・そんなドラマだ

カジュアル・ベイカンシー 突然の空席(2枚組) [DVD]



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